市と県どちらを受けるべきか悩んでいる受験生は多いと思う。
ところが、ウェブサイトやパンフレット、職員のインタビュー記事を読んでもいまいち両者の違いがわからない。
また、「県は市をとりまとめる業務を行っている」と言われても、さっぱりわからない。
その結果、県の業務内容が不明瞭となり志望動機が曖昧なものとなっている受験生が大変多い。
そこで、市と比較した場合の県の役割についてまとめてみた。
1.県は単独の自治体では解決できない業務を取り扱っている。
排水など水防に関する問題は複数の自治体に影響を及ぼすため、単独の自治体では解決できないことが多い。
その際に、市は県の助けを受けることになる。
例えば、とある市が工業団地造成プロジェクトを実施しようと多くの水田を埋め立てようとしている場合が当てはまる。
排水などの設計が適正に行われているか、市が自分達で確認し、その後適正な計画に基づいて設計されているか県の河川課、都市計画課にも再確認をお願いする。
つまり、市の監視役としての役割も担っている。
また、市職員がわからない事項を県に質問し、回答してもらうことも多い。
県はそれぞれの課がスペシャリストという考えが強く、市職員にとっては頼りになる存在である。
2.必要な施設の維持・管理を行う
港、県立美術館、動物園、学校など県立の施設は多数存在する。
不要施設がある問題はさておき、県はそれらの施設の維持、管理を行い、
県全体としての魅力向上に努めている。
最近は県営施設を活かすために、県主導でイベントを行うことも多い。
そのイベントに市も協力することがある。
3.国からの依頼された業務を市に対して協力要請する。
国は統計調査のために、県に業務を依頼することがある。
その際に、県は実情が把握できないローカルな事柄を市に調査依頼し、
その調査結果を取りまとめ国に報告する役割を担っている。
大きな違いは以上の3点である。
県は市よりも大きなスケールで仕事ができるという単純な違いがあるだけではない。
県を考えている人は参考にして欲しい。