よくテレビ特集で話題となる「スーパー公務員」
農産物のブランド化に一躍を担った例や、過疎地域の活性化に成功した例が取り上げられ、
私もこのような偉業を成し遂げる公務員になりたい!と希望を抱く受験生も少なくないだろう。
だが、その志望動機で市役所、県庁を志望すると
面接で冷ややかな態度を取られてしまう危険性がある。
なぜなら、市役所や県庁では担当課がおよそ3年おきに変わるので
職員が主体的に街おこし事業を始めた場合、継続性がないからである。
また、職員は日々企画だけに専念できるわけでなく、
補助金の審査、市民の窓口対応などの庶務作業もある。
テレビで特集されているスーパー公務員は人事異動、周りの職員、職場の雰囲気、本人の努力、良い協力者との出会いなどの
様々な要素が幸運にも恵まれた方が達成できるものであり、最初から目指すべきものではない。
だからこそ、行政が街おこし事業に携わる際には
官主導とならないように、市民のNPO団体などを後押しして
職員が異動しても継続して活動ができる体制作りに努めなければならない。
面接で街おこしをしたいという思いをアピールする場合も
そのような考えを市役所面接官に伝えた方ほうが良い。
ちなみに・・・
行政が主体となり、中心市街地の活性化を行って失敗した例として
青森市のアウガが取り上げられている。
アウガとは
概要
地下1階が「アウガ・新鮮市場」、1階から4階までが商業施設、5階から6階が「青森市男女共同参画プラザ・カダール」、6階から9階が「青森市民図書館」(9階は書庫)となっている。
商業フロアには地下の「新鮮市場」、有名ファッションブランド、100円ショップなどが出店している。青森市などが中心となった再開発によって総事業費約185億円をかけて建設され、2001年1月開業[1]。正面はニワトリをイメージしている。
アウガは行政が建設した複合施設として注目を浴び
廃れてしまった駅前や中心市街地の空洞化を食い止める起爆剤として全国の自治体から視察が相次いでいた。
一時的には駅前の来客数が増え、再開発の成功例として注目されたが、
2015年度の決算では大幅な債務超過となり、経営はたん状態に追い込まれた。
行政主体ではなく、
民間の経営ノウハウを取り入れた上で
アウガは運営すべきであったと思う。
行政主導で事業を進めすぎると
経営や費用対効果の意識が少ない状態に陥る危険性がある。