市役所の組織は複雑である。
福祉課、市民課、スポーツ振興課、商工課、納税課など・・・
業務内容が広く、不透明な箇所も多いので
民間会社と違い、求める人物像がはっきりしない。
そのため、面接対策をする際に、自分の何を売りにすれば良いかわからない受験生は大変多いだろう。
そこで、市役所職員の取材を通して
美化されてる受験雑誌のインタビュー記事にはない、生の声を書くことにした。
Q:ずばり、全ての市役所職員に共通して求められている人物像を教えて下さい。
A:全ての市役所に共通していることは協調性・コミュニケーション能力です。
民間では利益を上げることが第一の目的ですから、
ある程度自己主張が強く、上司が扱いづらいと思う人物でも、
結果を出せる見込みがある人なら採用されることも多いでしょう。
しかし、行政ではいくら能力があっても独断で進む人は嫌われる傾向が強いです。
なぜなら、税金を運用する以上、根拠となる規則・条文に添った行動が試される場面もありますし、
離職する人も少なく、臨機応変に組織再編はできないので、長期間同じメンバーで協同作業をすることが多いからです。
さらに、市民からの目もありますので、一部の人に誤解を受ける行動は避けなければなりません。
才能に優れていても、独断専行で突き進む危険性がある人は
結果的に組織内の輪を見出し生産性を下げてしまう危険性もありますから、
採用担当者に毛嫌いされる可能性が高いですね。
また、複数の職員と共同作業したり、市民に説明をする機会が大変多いので
コミュニケーション能力も重要ですね。
Q:市役所の業務は多岐に渡り、自分の何を売りにすれば良いかわかりません。
A:市役所は課ごとに全く違う仕事がありますので、それぞれの課で求められている人物像が変わってきます。
例えば、福祉課ではシングルマザーの家庭などの相談に乗る業務があり、あまり敵を作らない温厚な人物が多いです。
逆に、広報課などは取材がありますので、第一印象で気に入られるような明るくハキハキした人が多いです。
じゃあ、温厚で明るくハキハキとしていて、さらに
コミュニケーション能力や協調性もあるオールマイティな人しかいらないかと言うと
そうではありません!そんなオールマイティな人存在しません(笑
市民課、商工課などそれぞれの課に最適な人物像がありますので、
市役所にとっては、多様な人材を採用したほうが有利に働きます。
しかも、課内のチームワークを考慮した上で
同じ課でも真逆の人物を求めることがあります。
(例えば納税課は窓口業務なので、温厚な女性が最適と思われるが、
逆上した市民を抑える場面を想定すると、強健なガタイを持った職員が1人ぐらい必要となる)
だから、深く考えてもキリがありません。
ですから、あなたの職歴・経験・専攻を踏まえて
市役所内の業務で最も活かせると思うポイントを素直に伝えれば良いです。
前職が銀行の方は、コミュニケーション能力、クレーム対応力に優れており
窓口業務で役立てるという面を強調してアピールすれば良いです。
また、大学内で心理学を専攻し、女性に関する問題等を調べていた方は
福祉課の対応に活かせるという面を強調すれば良いです。
市役所の業務が幅広いから問いって
これもあれも、なんでもできるとアピールすると採用担当者に漠然とした内容しか伝わりませんし
信憑性も疑われます。
ですから、先ほど述べた通り
あなたの職歴・経験・専攻を踏まえて
市役所内の業務で最も活かせると思うポイントを素直に伝えれば良いです。