市役所に3年間勤めて分かった、市役所で求められる人材

公務員には企画力が求められるという声もあれば
単純に苦情対応、事務処理ができて、後は上での指示に従えばOKという声もある。

受験生からすると、採用試験でどのような人材が求められているのか
さっぱりわからなくなることが多い。

このブログを立ち上げた私は、今市役所に勤務して3年になり、
主に企画系の部署を転々としているが、
民間のようにばりばり事業を企画して、実行するのとは少し状況が違う。

まず、企画系の部署と言えど
年度当初に事業予算と事業目標、事業計画が決まっているので
それらを確実に実行し、年度内に事業目標を達成することが求められている。

例えば、婚活支援の担当になった場合
年度内に婚活イベント参加者数を合計50人以上集めて
成婚数1組を目指すという事業目標を掲げる。

その目標を達成するために、
前年度に組み立てた予算を使って、イベント企画業者に業務委託し
イベント集客、告知、当日の運営をするという具合である。

また、近年行政代執行などで注目を浴びる
空き家対策の担当となった場合
管理不全な空き家の苦情相談をするだけでなく
空き家対策のための総合計画の策定や、条例の制定
他に空き家対策の業務マニュアルの作成を行うことになる。

総合計画や条例は
その自治体の状況や、有識者による意見を参考に
一字一句、慎重に考慮して作る必要があるので
a410ページぐらいの文章を作るだけでも
完成までに1ヶ月以上かかることがある。

市役所は業務範囲が大変広いので
特定の業務だけに選り好みせずに
担当業務を責任をもって処理しなければらないこともある。

「公務員は自分の意志を持たずに仕事することになる」と言われる原因は
そこにある。

私はイベント企画がしたいから
条例など細かい文書作成業務はしたくないと
言う権利はないのだ。

苦手意識を持たずに
わからない箇所があれば
周りの職員に聞く、周りの職員とコミュニケーションをとるという当たり前のことを
しっかり実行することが新規採用職員に求められてる。

言葉で書くと当たり前だが、実際に勤めると
実行できていない職員が多い。

市役所の業務は一人一人担当が決まっていても、
チークワークで行うことが多いので
しっかり挨拶をしてくれて、上司に気に入られそうな人かという
判断を採用試験で行うことになる。

あまりに主張が激しい人が落ちてしまう原因は
その条件を満たしていないからである。

最近の公務員試験は人物重視になっているから
面接対策ばかりに気を取られてしまうが
普段から、多くの人とコミュニケーションをとり
チームワークとして働く仕事やボランティアに努めることも
重要である。

やはり、団体生活の経験を重ねていくと
面接対策のときの
話し方や仕草、全体的な雰囲気も違ってくる。

ある上場企業の役員は
新卒の面接は最初の雰囲気で
決めると行っていた。

入場した際の声、歩き方
視線などで感じるその人の雰囲気である。

その雰囲気を良くするには
もちろん、直前期は面接対策が有効だが
時間がある今は、団体で仕事をする、行事に参加する
経験を重ねることも重要である。

これまで述べた基本的なことができて
次に、企画力があるとなお良い。
他に特殊技能があるとなお魅力的であると面接官に評価される。

ただし、雰囲気も良くて
企画力や特殊技能がある人はほとんど公務員ではなく
民間に行くので
そこまですごいライバルが現れると心配する必要はない。