市役所は闇雲に企画イベントを行っているわけではない

近年、里山振興などがブームとなり
自治体が主導で里山振興イベントや婚活イベントを主催する事例が多くなってきた。

その事例を見た学生の中には、自分自身も市職員になって
イベントを企画したい!と考えている人もいるだろう。

しかし、イベント企画事業会社として企画するわけではなく
血税を投入することになるので、そのイベントを行う理由を考える必要がある。

税金を投入してイベントを開催しても
投入した税金以上に地域貢献につながるか
常に考えて企画する必要があることを
市職員を目指すあなたに念頭に置いて欲しい。

そこで、今回はE市のイベント企画担当市職員に市役所がイベントを企画する意義について
インタビューした。

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E市 企画担当職員からの回答

市役所がイベントを企画する意義として
その地域のコミュニティ活動を活発化することが挙げられます。

例えば、過疎化が進んでどうしようもない中山間地域に定住人口を増やしたいと思った場合
町内会単独でPRイベントを行うことは不可能に等しいです。

そこで、市が主導でイベント企画を行う
あるいは町内会に対して補助金支援を行い
大々的にその町のPRイベントを行う政策を行い、移住定住につなげることを目標にすることを考えて
里山イベント企画します。

具体的には、ある地域は里山環境、名水百選に選ばれたわき水が特徴なので
わき水を活かしたスイーツ、料理、そばの試食
また里山景色を観賞できる仮設カフェなどを会場に設けました。

イベントを重ねるごとに来場者は増え、1回で数千人もの人々が
その中山間地域に訪れるようになりました。

結果として、その里山環境が気に入って
夫婦が2組移住してくれました。

その地区の町内会は自発的にイベントを開催するようになったので
市は今後徐々に支援する金額や人員を減らし、
市の協力がなくても持続的に町内会でイベントを行い、コミュニティ活動が活発な
移住・定住しやすい環境を構築できるようにするつもりです。

初期段階では私たち市職員の支援が必要だと思いますが
延々と税金を投入してはきりがないので
ある程度の段階から町内会などのコミュニティ団体が自発的に
イベントなどを開催し、人口維持につなげられる環境づくりが大事だとかんがえています。