民間の営業力・企画力が市役所業務で重要になってきている

最近の市役所業務をしていると
自治体においても徐々に民間企業と同じく

営業力や企画力が重要になっていると感じる。

最近はどの自治体も1人でも多く人口を増やすために
移住者には数十万円以上の定住補助金を交付するところが多い。

だが、それだけでは差別化できないので
PR戦略に力を入れている。

ある自治体は地域おこし協力隊による個人目線での魅力発信(ブログやfacebookを用いて)
ある自治体は注目を浴びるポスターや動画を使っている。

私自身も市長命令で自治体の魅力をPRする動画制作を突如任された。

他の職員はUターン者向けの割引チケット企画や、ゆるキャラの企画を任されている。

企画系の部門にいると、なおさら民間経験者が多くいると感じる。

つまり、それほど市役所業務は民間経験者が活かせる場があるということである。

過疎地域に限らず、県外・市外の方に向けて採用枠を設ける自治体も増え
試験はだんだんと人物重視になっている。

もはや、公務員試験対策は大学4年間を筆記試験対策に捧げることではなく、民間志望者と同じように
学生時代に多様な経験を重ね、コミュニケーション能力・企画力・社交性など

実社会に必要な人格と能力を形成しなければならないと
現場にいると痛感する。

何年も公務員浪人をしている知人に共通していることは
筆記試験対策ばかりで、社会経験もせず、会話するとすぐに経験のなさが伝わってしまうことである。

また、その面接対策が疎かで、面接の受け答えを聞いても全く熱意が感じない。
(何がしたいと言われても、農業振興に携わりたいという答えが返ってくるだけで、熱意が感じない。)

ある知人の女性は筆記試験が大変苦手だが、その市役所の臨時職員として数年働き
職場に認められて、筆記試験をビリで通過したものの二次試験で合格した。

それを「コネ」と言いくるめてしまうのは浅はかである。


なぜなら、数年間勉強をしてきて、口だけで頑張ると言う若者を採用するよりも
実際に数年間市役所業務を経験し、それでも市職員として働きたいと主張する若者を採用したほうが
圧倒的に定年までまじめに働いてくれる可能性が高いからだ。

人事はそのことをよく把握している。

自分自身をより魅力的に見せることは面接対策でできるが、
これまで築いてきた実績・経歴は直前で対策できるものではない。

市役所職員を目指している公務員浪人は
ただ家で勉強するだけでなく
アルバイトや臨時職員の経歴があると、実際にしっかり働いてくれると
面接官も経歴を見てわかってくれるだろう。