公務員試験はどこも29歳まで受けられるようになっている。

しかし、26歳以上のいわゆる高齢受験生は地方公務員試験において不利という情報がネットで飛び交っている。

そこで、北陸地方を中心に合格者の新卒、既卒の内訳を聞き込みで調べてみた。

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まず、とある中核市。

この市の事務職採用数は約40人ほど。
事務職上級の合格者のうち、3割〜4割が既卒である。

毎年必ずと言っていいほど、既卒の合格者には臨時職員、銀行員の職歴を持っている人が含まれている。
しかし、中には全く関係ない業界の人も合格しているので、上記の職歴を持っていない人も望みを持って欲しい。

最近話題の雑貨屋「ヴィレッジヴァンガード」の販売員から事務職上級に合格した人もいた。(この方は2013年合格)

聞き込みに応じてくれた方は2011年合格。学歴は関関同立で新卒採用(事務職上級)だ。
筆記試験で8割取ったらしいが、この得点は受験者の中でも上位と思われる。

だが、今まで筆記重視と言われてきた金沢市は今年度から面接回数が1回から2回になった。
そのため、近年流行りの人物重視に移行してきていると思われる。
今後、筆記の通過点が下がる可能性は高い。

28歳〜29歳の合格者も毎年数人いるので、既卒高齢受験生に寛容なほうであると思う。

また、中核市ほどの規模になると資格が必要な福祉事務などの経験者採用も盛んに行われている。
30代でも入れる可能性が大いにあり。しかし、資格が必要な福祉事務などに限られる。

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次に、某10万人都市。
この市は毎年の事務職採用数が10人ほどだ。

2013年度の試験では既卒合格者が11人中2人という結果であったが、2014年度の試験では9人中4人が既卒という結果に。
2014年度の試験では筆記の通過点が5割5分まで下がり、人物重視の試験となった。

既卒合格者の職歴は臨時職員、銀行員が多い。
中には販売員からの転職者もいる。
既卒合格者の年齢は27歳、28歳が多かったので、民間経験や臨時職員経験のある高齢受験生には寛容になったと思われる。

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次に、人口5万人ほどの某都市。
この市は毎年の事務職採用数が10人ほど。

既卒合格者は若干名である。やはり銀行員からの転職者が多い。
それでも、全く関係ない民間会社からの合格者も毎年1〜2人はいる。

しかし、27歳以上の合格者は全くいない。
受験要件は29歳以下となっているが、この自治体は高齢受験者には厳しいと思われる。

30歳以上の人を採用する経験者採用は一切行っていない。

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以上の結果により、規模の大きな自治体ほど高齢受験者の採用に寛容である傾向が見られた。
高齢受験者に寛容な自治体は、経験者採用などを盛んに行っているので、毎年の試験区分を調べるだけでおおよそ把握できる。

ネット上では「国家公務員は既卒高齢でも合格できるが、地方公務員は運」という情報も蔓延しているが
実際、20代後半でも地方公務員試験に合格している方は大勢いる。

私の知人は職歴なし年齢が20歳後半であったにも関わらず、国家公務員に合格したと聞いた。
しかし、20歳後半職歴なしで地方公務員に合格した話は北陸地方において聞かない。

昨年は試験会場で27歳、学歴は早慶、筆記は7割〜8割ほど取れる方に出会った。
いわゆる職歴なしの長期公務員浪人である。
この方は昨年も全滅し、今年度も試験に挑戦している。

公務員試験に携わった人事担当者も仰っていたが
既卒は同世代の職員以上に使えると判断されなければ、採用されない。
そのため、バイトでも派遣でも職歴を作り、自分が社会において使える人材であると経験を持ってアピールする必要がある。