日本の地方部、特に過疎地域では
あなたも知ってのとおり人口減少が著しく進行している。

もし、あなたが過疎地域の自治体を受験する予定がある場合
グループディカッションで自治体の人口増加策に関する課題が出される可能性がとても高いだろう。
当ブログの元管理人が福井県あわら市を受験した際に出題されたお題は
「消滅危機自治体として指定されたあわら市が行うべき人口増加策」であった。

そのようなお題で即座に面接官をうならせる
理論的な回答ができるようになるためには、普段から自治体が実施している人口増加策などの
知識を蓄えておくことが必要である。

そこで、今回筆者は、近年移住・定住促進や婚活支援、空き家対策に関する独自の戦略を実施し、
県外の若者の転入・開業が相次ぐなど注目を浴びている南砺市の市担当者に政策の実施成果についてインタビューした。

インタビューした職員:定住促進・婚活・空き家対策
南砺に暮らしません課 担当者

南砺市について

南砺市は、富山県西部に位置する市。
平野部と五箇山を中心とした山岳部で構成される。
世界遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」と演劇祭のある旧利賀村を擁する。
人口:5.066万 (2016年10月1日)
面積:668.6 km²

引用:ウィキペディア

私「まず、南砺市の現在の状況について教え下さい」

職員「南砺市は国立社会保障・人口問題研究所によると、現在約5.3万人から2060年には約2.3万人に減少すると予測されています。市は危機意識を持って移住・定住、婚活支援を積極的に行っています。例えば南砺市旧井波町中心市街地にあるショッピングセンターアスモ内には移住・定住・婚活支援専用窓口を設けています。毎日午前10時から午後9時(土曜、日曜、祝日も受付)まで相談を受け付けており、仕事帰りの方にも相談しやすい環境を整えています。

移住・定住促進策について

私「移住・定住ではどのような政策を実施していますか。」

職員「南砺市は充実した移住定住補助金制度を設けています。市外から転入し新築を建てた方には100万円交付、家族一人につき5万円加算。中古物件を取得した方にも60万円交付し、こちらも家族一人につき5万円加算します。しかし、一軒家の取得はハードルが高いので、まず南砺市で仮に暮らしたい方に対する補助として賃貸住宅補助金制度を設けています。市外から転入した1世帯に月1万円/月を1年間交付、新婚世帯(結婚してから1年間以内に転入した世帯)には1年目2万円/月、2年目1万円/月を交付します。企業の住宅補助と併用可能であり、実質的には相当安い家賃で住むことができます。おかげで補助金利用者は大変多い状況です。」

考察
新築の家屋を建てた方に100万円交付し、賃貸住宅に住む人に月1万円交付する制度は大変充実した補助金制度と言える。
しかし、補助金制度は単に充実させれば良いというわけではない。
企業立地補助金制度を充実させて、シャープの工場誘致に成功した自治体「亀山市」の事例を見てみよう。

亀山市は人口が約5万人の三重県にある宿場町として栄えた市である。
三重県が90億円、亀山市が45億円の補助金を交付する制度を設け
結果的にシャープの工場誘致に成功した。
世界の亀山ブランドを聞いたことがある人も多いだろう。
亀山市の税収は増加し、一時的に国から地方交付税を一切受けない「不交付団体」に昇格するという驚きの展開になった。

しかし、2009年に亀山工場は一部中国企業に売却され、従業員数も減少。
マンションには空室が目立ち、従業員の需要を当てにした商店街は閉店したお店が増えてきた。
県と市で合わせて135億円も補助したが、6年ほどで息切れしてしない、三重県はシャープに6.4億円の返還請求する事態となった。

企業も市民も転出するリスクが常につきまとう。
進出した企業や転入した人に多額の補助金を交付しても、それ以上に税収が得られなければ
結果的に自治体が疲弊してしまうのである。

あなたは公務員として、必ず費用対効果を考えて補助金制度を考えなければならない。

面接で回答する際にこの考えは必ず念頭に置いた上で、政策を考えて欲しい。